雑記
セクシャリティAtoZのロゴマーク。いろんなセイを知るために。
2012

セクシャリティAtoZ

セクシャリティAtoZは、2012-09-17が初出になります。
たまに更新しています。

2018.12.04 最終更新

——————
昨日ついったーで「LGBTじゃなくてAtoZにしたらいいのに、そっちのほうが多様性表せるくね?」という旨のpostを見てなるほどなーと思いました。
個人的には、そういうカテゴライズとかがもうすでにめんどい状態に入ってしまってるのですが、新たな視点というか、そういうものに触れられてすごく面白かったです。

ということで、考えてみましたよ、AtoZ

【A】
Abrosexual / アブロセクシャル(恋愛指向や性指向に流動性があり、複数のセクシャリティの間で変動する)
Aegosexual / イーゴセクシャル(自分自身と性的興奮の源との間につながりを感じない。オートコーリスセクシャルと同義)
Agender / アジェンダー または エイジェンダー(「ジェンダーがない」という自己認識を持つ状態。ニュートロイスと同義)
Akoisexual / アコイセクシャル(相手に性的魅力を感じるが、相手から性欲求を向けられることを望まない、もしくは必要としない。また、性行為を受けるのが好きでなかったり苦痛であったりする。アポロマンティック、リスセクシャルと同義)
Allosexual / アルロセクシャル(恋愛指向や性指向を持つ。ズィーセクシャルと同義)
Ambisexual / アンビセクシャル(いずれの性に対しても、まったく同様に魅力を感じる)
Androgynous / アンドロジナス(中性的、または両性的な自己認識を持つ状態)
Androsexual / アンドロセクシャル(男性、または男らしさに性的魅力を感じる。マセクシャルと同義)
Antisexual / アンチセクシャル(実際にはアセクシャルではないが、アセクシャルであることを望む)
Aporomantic / アポロマンティック(相手に恋愛感情を感じるが、相手から恋愛感情を向けられることを望まない、もしくは必要としない。リスロマンティックとも)
Apothisexual / アポシセクシャル(他者に性的魅力を感じず、また、性交渉に嫌悪感を覚える)
Apressexual / アプレスセクシャル(別の形の魅力が感じられたあとにのみ、性的魅力を感じる)
Aromantic / アロマンティック(恋愛感情、または恋愛指向を持たない)
Aromantic-asexual / アロマンティック・アセクシャル(恋愛感情と性欲求、または恋愛指向と性指向を持たない。日本の狭義のアセクシャルと同義)
Asexual / アセクシャル または エイセクシャル(性欲求、または性指向を持たない。日本では、アロマンティック・アセクシャルと同じ意味で用いられることが多い。無性愛とも呼ばれる)
Autosexual / オートセクシャル(自分自身に性的魅力を感じ、自慰を好む)
Autochorissexual / オートコーリスセクシャル(自分自身と性的興奮の源との間につながりを感じない。イーゴセクシャルと同義)

【B】
Bigender / バイジェンダー(「男性と女性の両性である」という自己認識を持つ状態)
Bisexual / バイセクシャル(恋愛感情や性欲求が男性と女性に向く。両性愛とも呼ばれる)
Bisexual curious / バイセクシャルキュリアス(バイセクシャルであると明確に自覚しているわけではないが、同性との恋愛や性行為に関心がある)

【C】
Cassexual / カスセクシャル(性指向があたかも重要でないかのように感じる)
Ceterosexual / セテロセクシャル(恋愛感情や性欲求がジェンダークィアに向くジェンダークィア)
Cisgender / シスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別と等しい性別のありかたを持つ状態)
Closet / クローゼット(自身のセクシャリティを他者に明かさずに隠していること)
Coming out / カミングアウト(自身のセクシャリティを自身の意思で周囲に公表すること)
Cupioromantic / クピオロマンティック(恋愛感情を抱いたことはないが、他者と恋愛関係を築きたいと望む)
Cupiosexual / クピオセクシャル(性欲求を抱いたことはないが、他者と性関係を築きたいと望む。カロスセクシャルと同義)

【D】
Demiromantic / デミロマンティック(情緒的に強い結びつきを持った相手に対してのみ、恋愛感情を抱きうる)
Demisexual / デミセクシャル(情緒的に強い結びつきを持った相手に対してのみ、性的魅力を感じうる。半性愛とも呼ばれる)
DSDs / ディーエスディーズ(体の性のさまざまな発達。身体的な性発達が先天的に非典型的である状態。さまざまな体の状態を包括する語。Differences of sex developmentの略)
Durasexual / デュラセクシャル(他者に性的魅力を感じることが滅多にないが、性的魅力を感じた時は長い間持続する)

【E】
Enigmatic / エニグマティック(「自分ではどのような感じであるかわかっているが、それを言葉でうまく説明できない」ような自己認識を持つ状態)

【F】
Female / フィーメイル(生物としての♀。また、♀の身体的性特徴を持つ人)
Fraysexual / フレイセクシャル(誰かと会ったあとに性的魅力を感じるが、情緒的な結びつきが強まると魅力が薄れていく)
FtM / エフティーエム(♀の身体的性特徴を持つトランスジェンダー男性)
FtX / エフティーエックス(♀の身体的性特徴を持つXジェンダー)

【G】
Gay / ゲイ(恋愛感情や性欲求が同性に向く男性)
Gender fluid / ジェンダーフリューイド(「ジェンダーが流動的である」という自己認識を持つ状態)
Gender Identity / ジェンダーアイデンティティ(自己認識としての性別。「自分自身の性別について、自分自身がどのように認識しているか」を指す。性自認とも呼ばれる)
Genderqueer / ジェンダークィア(既存の性別の枠組みにあてはまらない自己認識を持つ状態。ノンバイナリー、ノンコンフォーミング、ヴァリアントなど、ありかたはさまざま)
Gravisexual / グラヴィセクシャル(セクシャリティが重力の引き込みや地球の中心からどのぐらい離れているかに影響される)
Greyromantic / グレイロマンティック(アロマンティックとアルロロマンティックとの間のどこかに該当する)
Greysexual / グレイセクシャル(アセクシャルとアルロセクシャルとの間のどこかに該当する)
GSRD / ジーエスアールディー(性別、性愛、恋愛に関する多様性。Gender, Sexual, and Romantic diversityの略)
GSRM / ジーセルアールエム(性別、性愛、恋愛に関する少数派。セクシャルマイノリティの総称として用いられる語。Gender, Sexual, and Romantic minorityの略)
Gynesexual / ガイネセクシャル(女性、または女らしさに性的魅力を感じる。ウーマセクシャルと同義)

【H】
Heteroflexible / ヘテロフレキシブル(ヘテロセクシャルを自覚しているが、同性に惹かれることもあり、恋愛関係や性関係を持つこともありうる)
Heterosexual / ヘテロセクシャル(恋愛感情や性欲求が異性に向く。異性愛とも呼ばれる)
Homosexual / ホモセクシャル(恋愛感情や性欲求が同性に向く。同性愛とも呼ばれる)

【I】
Iculasexual / イクラセクシャル(他者に性的魅力を感じないが、性交渉することに積極的である。ポディセクシャルと同義)
Implasexual / インプラセクシャル(規則的に続く自己疑問やアイデンティティの問題が原因で、自身の性指向に満足していない)
Intergender / インタージェンダー(「男性と女性の間である」という自己認識を持つ状態)

【K】
Kalossexual / カロスセクシャル(性欲求を抱いたことはないが、他者と性関係を築きたいと望む。クピオセクシャルと同義)

【L】
Lesbian / レズビアン(恋愛感情や性欲求が同性に向く女性)
LGBT / エルジービーティー(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgenderをはじめとする、セクシャルマイノリティの総称として用いられる語。語尾にA、I、Qなどをつけ加える場合や、「セクシャルマイノリティはLとGとBとTだけではない」ということを示すために「LGBTs」「LGBT+」などと表記する場合もある)
Lithromantic / リスロマンティック(相手に恋愛感情を感じるが、相手から恋愛感情を向けられることを望まない、もしくは必要としない。アコイロマンティック、アポロマンティックと同義)
Lithsexual / リスセクシャル(相手に性的魅力を感じるが、相手から性欲求を向けられることを望まない、もしくは必要としない。また、性行為を受けるのが好きでなかったり苦痛であったりする。アコイセクシャルと同義)

【M】
Male / メイル(生物としての♂。また、♂の身体的性特徴を持つ人)
Man / マン(ジェンダーとしての男性。また、「男性である」という自己認識)
Masexual / マセクシャル(恋愛感情や性欲求が男性、または男らしさに向く。アンドロセクシャルと同義)
Mollsexual /モルセクシャル(恋愛指向や性指向の存在感が弱い、もしくは柔らかい)
Monoamory / モノアモリー(恋愛関係などを、同時期にひとりだけに限定する。単数恋愛とも呼ばれる)
Monogamy / モノガミー(婚姻関係などを、同時期にひとりだけに限定する。単婚とも呼ばれる)
Monosexual / モノセクシャル(恋愛感情や性欲求の対象が1種である。ヘテロセクシャルやホモセクシャルなどが該当する。単性愛とも呼ばれる)
MtF / エムティーエフ(♂の身体的性特徴を持つトランスジェンダー女性)
MtX / エムティーエックス(♂の身体的性特徴を持つXジェンダー)

【N】
Neutrois / ニュートロイス(「性別がない」という自己認識を持つ状態。アジェンダーと同義。 /「身体的に無性になりたい」という考えかた)
Neusexual / ニューセクシャル(アジェンダーに対して性的魅力を感じる)
Nomasexual / ノーマセクシャル(恋愛感情や性欲求が男性以外の性別に向く)
Nonamory / ノナモリー(恋愛において交際関係を目的としない、もしくは交際関係に発展することを望まない)
Nongamy / ノンガミー(恋愛において婚姻関係を目的としない、もしくは婚姻関係に発展することを望まない)
Nonsexual / ノンセクシャル(性欲求、または性指向を持たない。非性愛とも呼ばれる。ロマンティック・アセクシャルと同義)
Novosexual / ノヴォセクシャル(自分のセクシャリティを確信することが出来ない)
Nowomasexual / ノーウーマセクシャル(恋愛感情や性欲求が女性以外の性別に向く)

【O】
Objunctumsexual / オブジャンクタムセクシャル(恋愛感情や性欲求が無生物に向く)
Omnisexual / オムニセクシャル(恋愛感情や性欲求がすべての性別に向く。パンセクシャルと同義)
Outing / アウティング(他人のセクシャリティや個人情報を、本人の許可なく第三者に暴露すること)

【P】
Pansexual / パンセクシャル(恋愛感情や性欲求がすべての性別に向く。全性愛とも呼ばれる。オムニセクシャルと同義)
Parasexual / パラセクシャル(他者に性的魅力を感じないが、気晴らしを目的としたセックスを楽しむことができる)
Penultisexual / ペナルティセクシャル(自分と異なる性別の人に性的魅力を感じられる。ヘテロセクシャルと同義だが、性別非二元論が前提となる)
Placiosexual / プラシオセクシャル(性行為を受けたいとはほとんど思わないが、他の誰かに対して性行為をしたいという願望を表明している)
Polyamory / ポリアモリー(恋愛関係などを、同時期にひとりだけに限定しない。複数恋愛とも呼ばれる)
Polygamy / ポリガミー(婚姻関係などを、同時期にひとりだけに限定しない。複数婚とも呼ばれる)
Polysexual / ポリセクシャル(恋愛感情や性欲求の対象が複数である。バイセクシャルやトリセクシャルなどが該当する。 /「人の数だけセクシュアリティがある」という考えかた)
Pomosexual / ポモセクシャル(「そもそもセクシャリティの分類は意味をなさない」という考えかた。ポストモダニズムセクシャルの略)
Pothisexual / ポディセクシャル(他者に性的魅力を感じないが、性交渉することに積極的である。イクラセクシャルとも)

【Q】
Queer / クィア(既存の枠組みにあてはまらないセクシャリティ。セクシャルマイノリティを表す語として用いられることもある。元は侮蔑語)
Questioning / クエスチョニング(自分のセクシャリティについて、悩んだり迷ったりしている)
Quoiromantic / クォイロマンティック(「恋愛感情とは何か」「友情とどう違うか」がわからない。ワットロマンティック、WTFロマンティックと同義)
Quoisexual / クォイセクシャル(性的魅力を、他のタイプの魅力と区別できない)

【R】
Robosexual / ロボセクシャル(恋愛感情や性欲求がロボット(特にヒューマノイド)に向く)
-romantic / -ロマンティック(恋愛指向を表現する接尾語。恋愛対象と性対象が異なる場合に使うと便利)
Romantic-asexual / ロマンティック・アセクシャル(恋愛感情や恋愛指向を持ち、性欲求または性指向を持たない。ノンセクシャルと同義)
Romantic orientation / ロマンティックオリエンテーション(恋愛指向。「恋愛感情がどのような対象に向かうか」を指す)

【S】
Sapiosexual / サピオセクシャル(他者の知性、または知性的な人に性的魅力を感じる)
Sex / セックス / (生物としての性別。身体的性特徴。「身体の性発達がどのようなものであるか」を指す。| 性的活動。性交渉や性交などを指す)
-sexual / -セクシャル(性指向を表現する接尾語。恋愛対象と性対象が異なる場合に使うと便利)
Sexual aversion / セクシャルアヴァージョン(性嫌悪。性に関することに対して、嫌悪感や恐怖感を覚える。対象や程度はさまざまである)
Sexual expression / セクシャルエクスプレッション(性表現。「服装や仕草など、性別に関する自己表現がどのようなものであるか、またはどのようなものを好むか」を指す)
Sexual majority / セクシャルマジョリティ(性的多数派)
Sexual minority / セクシャルマイノリティ(性的少数派)
Sexual orientation / セクシャルオリエンテーション(性指向。「性欲求がどのような対象へ向かうか、もしくは何に性的魅力を感じるか」を指す)
Skoliosexual / スコリオセクシャル(恋愛感情や性欲求がシスジェンダー以外の人に向く)
SOGI / ソギ または ソジ(さまざまなセクシャリティを総称する語。Sexual orientation & Gender identityの略)
Straight ally / ストレートアライ(セクシャルマイノリティに対して理解や友好を示し、積極的に支援するセクシャルマジョリティ。フレンドリーとも呼ばれる)

【T】
Transfeminine / トランスフェミニン(「どちらかというと女性である」という自己認識を持つ状態)
Transgender / トランスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別とは異なる性別のありかたを持つ状態)
Transmasculine / トランスマスキュライン(「どちらかというと男性である」という自己認識を持つ状態)
Trigender / トリジェンダー(「男性・女性・その他」の3つの性別のなかで自己認識が揺れる状態)
Trisexual / トリセクシャル(恋愛感情や性欲求が男性・女性・トランスジェンダーに向く)

【U】
Unsexual / アンセクシャル(性欲求や性行為欲はあるが、挿入欲や被挿入欲は持たない)

【V】
Volitsexual / ヴォーリットセクシャル(性欲求を感じるものの、それが特に誰にも向かわない)

【W】
Whatromantic / ワットロマンティック(「恋愛感情とは何か」「友情とどう違うか」がわからない。クォイロマンティック、WTFロマンティックと同義)
Woman / ウーマン(ジェンダーとしての女性。また、「女性である」という自己認識)
Womasexual / ウーマセクシャル(恋愛感情や性欲求が女性、または女らしさに向く。ガイネセクシャルと同義)
WTFromanthic / ワイティーエフロマンティック(「恋愛感情とは何か」「友情とどう違うか」がわからない。クォイロマンティック、ワットロマンティックと同義)

【X】
Xgender / エックスジェンダー(男女の枠に囚われない自己認識を持つ状態)

【Z】
Zoosexual / ズーセクシャル(恋愛感情や性欲求が人間以外の動物に向く)
Zsexual / ズィーセクシャル または ゼットセクシャル(恋愛指向や性指向を持つ。アルロセクシャルと同義)

意外と埋まるもんですね。
思いついたのを出してみましたが他にもあるかなぁ、またこっそり増えてるかもしれません。

———

追記(2015.10.12)
この記事を書いてから3年が経ちましたが、今でもいろんな方が見たり紹介してくださったりしているようで、大変恐縮です。
実はこっそり更新しているので地味に増えつつあるのですが、すべてを覚える必要はおそらくありません。
「あーこういう人もいるんだなぁ」「こういう言いかたもあるんだなぁ」「セクシャリティっていろいろあるんだなぁ」といった具合に把握する程度で良いと思います。

この記事に載っていることがすべてではありません。
載ってない言葉もある、少し歯の抜けた辞書のようなものとお考えくだされば。
忘れたときは、またこの記事を見てくだされば嬉しいです。
もし「このセクシャリティが載ってない」「こういうセクシャリティを聞いたんだけど」というのがありましたら教えてくださいませ。

———

追々記(2017.08.14)
用語数が98になり、該当なしのアルファベットも残すところJとYの2つになりました。
ここ2〜3年ほどで特にアセクシャル系の用語が一気に増えた印象です。

2012年の初出の段階で申し上げていますが、個人的にはカテゴライズがめんどいというかセクシャリティの細分化にはキリがないと思っています。
「同じ人間はひとりとていない」という視点に立てば「同じセクシャリティはひとつとてない」ので、極論、用語は人の数だけ存在し得ることになります。

ただ「セクシャリティの細分化に意味はない」とは思っていません。
誰かにとって必要だからこそ言葉は増えるのですし、存在する言葉は誰かにとっては意味のあることです。
新しく用語が増えたり、使われなくなった言葉がひっそりと消えたり、あるいは用語の指し示すものが変化したり……という流れを追いかけていくのも、なかなかおもしろいものです。

ので、少なくとももうしばらくは細分化が続くだろうなと考えていますし、私もその移り変わりを眺めていようと思います。